カーリースの車に傷をつけてしまったとき、「修理費用は自分で払うの?」「返却時に高額な請求がくるのでは?」と不安になる方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、カーリース車の傷の対処は「傷の程度」と「契約内容」によって大きく変わります。この記事では、傷をつけてしまったときの正しい対処法、修理費用の目安、返却時の査定でどこまでセーフなのかを詳しく解説します。

カーリースの車に傷をつけたら最初にやること
ステップ1:傷の状態を記録する
傷に気づいたら、まずスマホで写真を撮って記録しておきましょう。傷の大きさ・深さ・場所を把握することで、その後の対応がスムーズになります。
いつ付いた傷かがわからないケースも少なくありません。駐車監視に対応したドライブレコーダーを付けていれば、停車中の接触が映像で残ることがあります。
ステップ2:リース会社に連絡する
自己判断で修理業者に持ち込むのは厳禁です。リース車の所有者はリース会社のため、まずは連絡して修理の指示を仰ぎましょう。傷の状態によっては、リース会社の指定工場での修理が必要になります。
ステップ3:任意保険の利用を検討する
車両保険に加入している場合は、保険で修理費用をカバーできます。ただし、保険を使うと等級が下がって翌年以降の保険料が上がるため、修理費用が少額なら自費で修理した方がトータルで得になることもあります。
傷を隠すために自分で格安の板金業者に修理を依頼するのはNGです。返却時にプロの検査員が細部まで確認するため、素人修理はほぼ見抜かれます。修復跡が発覚すると、再修理費用を上乗せで請求されるリスクがあります。
どの程度の傷なら追加費用がかからない?
通常使用の範囲とみなされる傷
カーリースでは「通常使用による損耗(自然損耗)」は返却時に追加費用が発生しないのが一般的です。具体的には以下のような傷が該当します。
- 1cm未満の浅い小傷(飛び石による点傷など)
- 洗車による微細な擦り傷(洗車キズ)
- 経年による塗装の色褪せ
1cm未満の浅い小傷であれば「通常使用による損耗」として、原状回復の対象外になるケースがほとんどです。
追加費用が発生する傷
以下のような傷は「通常使用の範囲外」と判断され、原状回復費用が請求されます。
- 明らかな擦り傷(駐車場でのポールへの擦り、壁への接触など)
- へこみ(ドアパンチ、ぶつけた跡など)
- 塗装の剥がれ
- 窓ガラスのひび割れ
- 内装の破損(シートの破れ、ダッシュボードの損傷など)
このうち多いのが、狭い駐車場でドアの端をぶつけてしまうパターンです。ドアの縁に貼るモールを付けておくと、隣の車との接触時にボディ側の傷を軽減できます。

傷の修理費用の目安
傷の種類と大きさによって修理費用は大きく異なります。以下は一般的な修理費用の目安です。
擦り傷(バンパー)
軽い擦り傷なら1万〜3万円程度で修理できることが多いです。塗装が深くえぐれている場合は3万〜5万円程度になることもあります。
擦り傷(ドア・フェンダー)
ボディパネルの擦り傷は、範囲によって2万〜5万円程度が目安です。広範囲の場合は5万〜10万円以上かかることもあります。
へこみ(デント)
小さなへこみならデントリペア(塗装なしの修復)で1万〜3万円程度で済むこともあります。大きなへこみは板金修理が必要で、5万〜15万円程度の費用がかかることがあります。
窓ガラスのひび割れ
フロントガラスの場合、リペアで済めば1万〜2万円程度。交換が必要な場合は5万〜15万円程度です。
ホンダの楽まるには30万円分の免責が付いています。この免責の範囲内であれば、傷やへこみがあっても返却時に追加費用を請求されません。リースサービスによって免責の有無や金額が異なるため、契約前に確認しておきましょう。
返却時の査定でチェックされるポイント
外装のチェック
返却時はプロの検査員がボディ全体を確認します。傷・へこみ・塗装の状態・修復歴の有無が細かくチェックされます。特殊なライトや膜厚計を使って補修跡を確認することもあるため、素人の修理はバレやすいです。
内装のチェック
シートの汚れや破れ、ダッシュボードの傷、タバコの焦げ跡なども確認されます。ペットを乗せていた場合は臭いや毛の付着もチェック対象です。
ペットと出かける機会が多いなら、シートを丸ごと覆うドライブシートを敷いておくのが手軽な対策です。毛や泥が座面に入り込むのを抑えられます。
走行距離の確認
契約時に設定した走行距離制限を超えていないかも確認されます。超過した場合は、1kmあたりの超過料金が請求されます。
タイヤ・ホイールの状態
タイヤの残り溝やホイールのガリ傷もチェックされます。タイヤが交換時期を過ぎている場合は交換費用を請求されることがあります。
縁石でこすりやすいホイールの外周には、後付けのリムガードを貼っておくという方法もあります。装着できるサイズが決まっているので、ホイール径を確認してから選んでください。


傷のリスクを減らす方法
駐車場選びに気をつける
狭い駐車場や隣の車との間隔が狭い場所では、ドアパンチや擦り傷のリスクが高まります。少し遠くても広い場所に停めるなど、日頃から傷を防ぐ意識が大切です。
メンテナンスプランに加入する
リース会社のメンテナンスプランの中には、軽微な傷の補修や原状回復費用の補償が含まれているものがあります。月額数千円のプラスで安心を得られるため、検討する価値があります。
「車がもらえるプラン」を選ぶ
契約満了時に車がもらえるプランであれば、返却時の原状回復を気にする必要がなくなります。傷を気にせずに普段使いしたい方にとっては最も安心な選択肢です。
コーティングやプロテクションフィルムを施す
ボディコーティングやプロテクションフィルムを施すことで、飛び石や軽い擦り傷からボディを守れます。費用は数万円〜十数万円ですが、返却時の原状回復費用と比較すると安く済む場合があります。
全面施工まではしなくても、ドアハンドル周りやリアバンパーの上面など、傷が付きやすい箇所だけを部分的に貼れるフィルムも市販されています。
傷に関するよくある質問
Q. 傷をつけたことをリース会社に報告しなかったらどうなる?
報告しなくても契約違反にはなりませんが、返却時の査定で傷が見つかると原状回復費用を一括で請求される可能性があります。事前に報告しておけば、修理方法や費用についてアドバイスをもらえるため、結果的にスムーズです。
Q. 返却前に自費で修理すべき?
リース会社に相談のうえ、指定工場で修理するのが正しい対応です。自己判断で安い業者に修理を依頼すると、仕上がりの品質が基準に達せず再修理が必要になるリスクがあります。
Q. 当て逃げされた傷はどうすればいい?
当て逃げの場合は、まず警察に届け出て被害届を提出しましょう。その後、リース会社に連絡し、車両保険を使って修理するのが一般的な流れです。

傷を自分で直すのはあり?やってはいけないNG行動
市販のタッチアップペンでの補修
市販のタッチアップペンで小傷を補修すること自体は契約違反にはなりませんが、仕上がりが不均一だと返却査定でマイナス評価されるリスクがあります。色味が合わなかったり、厚塗りになったりすると、かえって目立つ結果になることもあります。
使う場合は、車検証に記載のカラーナンバーに合った純正色を選ぶのが前提です。リース車では自己判断で補修せず、まずリース会社に相談してください。
格安の板金業者に持ち込む
リース会社の指定工場以外で修理すると、修理品質が基準に達しない場合に返却時に再修理費用を請求されるリスクがあります。料金が安いからといって自己判断で業者を選ぶのは避けましょう。
傷を隠す・申告しない
返却時の査定ではプロの検査員が特殊なライトや膜厚計を使って補修跡を確認します。素人の修理や隠蔽はほぼ見抜かれるため、正直に申告しておく方が結果的に損が少なくなります。
傷が心配な方におすすめのリースサービス
傷による追加費用が心配な方は、以下の特徴を持つサービスを選ぶと安心です。
免責付きのサービス
ホンダの楽まるには30万円分の免責が付いています。日常使いで付いてしまう擦り傷やちょっとしたへこみは、この免責の範囲内に収まることが多いため、返却時の追加費用を心配しなくて済みます。
車がもらえるプランのあるサービス
定額カルモくんの「もらえるオプション」やMOTAカーリースの標準プランでは、契約満了時に車がもらえます。もらった車は自分の所有物になるため、傷を気にする必要がまったくなくなります。傷へのストレスから完全に解放されたい方にはこの方法が最適です。
メンテナンスプランに原状回復補償が含まれるサービス
一部のカーリースサービスでは、上位のメンテナンスプランに加入することで、返却時の原状回復費用の一部が補償されることがあります。月額が数千円上がりますが、万一の追加費用に比べれば安い保険料と考えることもできます。
車両保険込みのサービス
KINTOは車両保険が月額に含まれているため、事故や大きな傷の修理費用も保険でカバーできます。しかも保険を使っても等級が下がらない仕組みなので、修理後の保険料アップを心配する必要がありません。
クローズドエンド方式で残価精算なしのサービス
オープンエンド方式の場合、傷による査定額の低下が返却時の残価精算に直結します。クローズドエンド方式であれば残価精算がないため、傷による追加費用リスクを原状回復費用のみに限定できます。定額カルモくんやKINTOはクローズドエンド方式を採用しています。
まとめ
カーリースの車に傷をつけてしまった場合は、まず傷の状態を記録し、リース会社に連絡するのが正しい対応です。1cm未満の浅い小傷であれば通常使用の損耗として追加費用がかからないケースがほとんどですが、明らかな擦り傷やへこみは原状回復費用が発生します。
傷のリスクを減らすには、駐車場選びの工夫やコーティングの施工が有効です。傷を気にせず使いたいなら「車がもらえるプラン」を選ぶのも賢い方法です。万一に備えて車両保険にもしっかり加入しておきましょう。


