高速道路をよく使うなら欠かせないETC車載器。カー用品店やディーラーで取り付けてもらうのが一般的ですが、「工賃を節約したい」「自分でやってみたい」という方もいるでしょう。実は、ETC車載器の取り付け自体はDIYで行うことが可能です。
ただし、セットアップ(車両情報の登録)だけは登録店でしか行えないため、全てを自分で完結させることはできません。この記事では、ETC車載器の取り付け手順から必要な工具、セットアップの流れ、そして店舗に依頼した場合の費用まで詳しく解説します。

ETC車載器のDIY取り付けに必要なもの
自分でETCを取り付けるにあたって、以下の道具と部品を準備しましょう。
- ETC車載器本体:セットアップ済みのものを購入するか、本体のみ購入して後からセットアップ
- 配線関連:ヒューズ電源取り出しケーブル、ギボシ端子、エレクトロタップなど
- 工具:プラスドライバー、内装剥がし(リムーバー)、ニッパー、テスター
- 固定用品:両面テープ、結束バンド、配線クリップ
ETC車載器はネット通販でも購入可能で、本体価格は5,000円〜15,000円程度が相場です。ただしネットで購入した場合、セットアップは別途対応が必要になります。最近はセットアップ込みで発送してくれるショップもあるので、探す手間を減らしたい方はそちらをチェックしてみてください。
ETC車載器の取り付け手順|8ステップで解説
ステップ1:ヒューズボックスの位置を確認する
まず車のヒューズボックスの位置を確認します。多くの車では運転席の足元付近、もしくはエンジンルーム内にあります。車の取扱説明書を見れば正確な位置が記載されています。ETC車載器の電源はACC電源(アクセサリー電源)のヒューズから取り出すのが基本です。
ステップ2:ACC電源を取り出す
ヒューズ電源取り出しケーブルを使って、ACCのヒューズから電源を取り出します。テスターを使ってACC電源の位置を確認し、キーをACCの位置に回した時だけ通電するヒューズを見つけましょう。シガーソケットのヒューズから分岐させるのが一般的な方法です。
ステップ3:アース(マイナス)を接続する
アース線は車体の金属部分にネジ止めします。ボディに最初からあるボルトやナットを利用するのが簡単です。塗装の上からではなく、金属が露出している部分に接続することがポイントです。
ステップ4:ETC本体の取り付け位置を決める
ETC本体の設置場所はダッシュボードの下や、グローブボックス内が一般的です。ETCカードの抜き差しがしやすい場所を選びましょう。両面テープやブラケットを使って固定します。
ステップ5:アンテナの取り付け位置を決める
アンテナはフロントガラスの上部中央付近に貼り付けるのが一般的です。フロントガラスの上部20%以内に貼るのが保安基準の決まりです。車検ステッカーやドラレコと干渉しない位置を選びましょう。
ステップ6:配線を隠しながらアンテナ線を通す
アンテナからETC本体までの配線は、Aピラー(フロントガラス横の柱)のカバーを外して内部に通すときれいに仕上がります。内装剥がし(リムーバー)を使えばカバーは簡単に外せます。配線が見えないように処理することで見た目もスッキリします。なお、マイナスドライバーでこじると内装に傷が入りやすいため、樹脂製のリムーバーを使う方が安心です。
ステップ7:電源を接続して通電確認
全ての配線が完了したら、エンジンキーをACCの位置に回してETC車載器に電源が入るか確認します。ETCカードを挿入して、ランプが正常に点灯すればOKです。
ステップ8:実際にETCレーンを通過して動作確認
セットアップが完了したら、実際に高速道路のETCレーンを通過してみましょう。最初の通過時はバーが開かない可能性も考えて、十分に速度を落として進入するのが安全です。正常に通過できれば取り付け完了です。

ETCのセットアップとは?自分ではできない?
ETCのセットアップとは、車両情報(ナンバープレート・車種区分など)をETC車載器に書き込む作業のことです。この作業は「ETC車載器セットアップ店」として登録された事業者のみが行えます。個人で行うことはできず、セットアップなしではETCは正常に機能しません。
セットアップの費用は2,750円〜3,300円(税込)が一般的です。オートバックスやイエローハットなどのカー用品店、ディーラー、整備工場などで対応してもらえます。
セットアップを行わずにETCレーンに進入すると、バーが開かず追突事故の原因になります。車を買い替えた場合や、他の車から移し替えた場合も再セットアップが必要です。
店舗で取り付けを依頼した場合の費用
DIYに自信がない方は、店舗に取り付けを依頼する方法もあります。費用の目安は以下の通りです。
- ETC車載器本体:5,000円〜18,000円程度
- 取り付け工賃:3,300円〜8,000円程度(イエローハットは3,300円〜、オートバックスは4,400円〜が目安)
- セットアップ費用:2,750円前後
- 合計:約13,000円〜25,000円が相場
持ち込み品の取り付けは工賃が割高になることが多く、10,000円前後かかる場合もあります。費用を抑えたいなら、車載器の購入と取り付けを同じ店舗でまとめて依頼するのがお得です。詳しい工賃の比較はくらしのマーケットのETC取り付け記事も参考になります。
ETC車載器の種類と選び方
2ピースタイプ(アンテナ分離型)
本体とアンテナが分離しているタイプです。本体をダッシュボード下に隠せるため、見た目がスッキリします。取り付けの自由度が高く、DIYにも向いているのがメリットです。
3ピースタイプ(アンテナ+スピーカー分離型)
アンテナとスピーカーが独立しているタイプで、音声案内がクリアに聞こえます。やや高価ですが、カーオーディオと干渉しにくいのが特徴です。
ETC2.0対応車載器
渋滞情報や安全運転支援などの追加機能が利用できるETC2.0対応モデルもあります。2030年のセキュリティ規格変更を見据えて、今から購入するならETC2.0対応モデルがおすすめです。

DIY取り付け時の注意点
ETC車載器を自分で取り付ける際には、以下の点に注意しましょう。
電気系統のトラブルに注意:誤った配線はショートや車両の電子機器に悪影響を及ぼす可能性があります。テスターで通電確認を行いながら慎重に作業しましょう。車の12V用なら1,000円前後の検電テスターでも十分に役目を果たします。
アンテナ位置の確認:アンテナの貼り付け位置が不適切だと、ETCゲートで正常に通信できないことがあります。取扱説明書に記載された推奨位置に設置しましょう。
保安基準の遵守:フロントガラスへの貼り付けには保安基準があります。車検ステッカーとの位置関係にも注意が必要です。
防水対策:アンテナ線をAピラーに通す際、ウェザーストリップ(ゴムパッキン)の処理が不十分だと雨漏りの原因になることがあります。元通りにしっかり戻しましょう。
ETCの取り付けに関する詳しい注意事項はMOTAのETC取り付けガイドでも確認できます。
よくある質問(Q&A)
Q. ETCの取り付けに資格は必要?
取り付け作業自体には特別な資格は不要です。ただし、セットアップは登録店のみが行える業務なので、別途依頼する必要があります。
Q. ネットで買ったETCのセットアップだけ店舗に頼める?
はい、可能です。ただし店舗によっては持ち込み品のセットアップに対応していなかったり、追加料金がかかることがあります。事前に電話で確認しておくとスムーズです。
Q. 車を乗り換えたらETCはそのまま使える?
車を乗り換える場合は、再セットアップが必要です。車載器を旧車から取り外して新車に取り付け、登録店で車両情報の書き換え(再セットアップ)を行います。セットアップ費用は初回と同じく2,750円前後です。
Q. ETC車載器の電源はどこから取ればいい?
シガーソケットから電源を取る方法が最も簡単ですが、常にシガーソケットが塞がってしまいます。ヒューズボックスからACC電源を取る方法なら見た目もスッキリし、シガーソケットも空けておけます。ヒューズ電源取り出しケーブルはカー用品店で500円程度で購入可能です。取扱説明書でACCヒューズの位置を確認してから作業しましょう。ヒューズの形状(平型・ミニ平型・低背)が車種で異なるため、購入前に自分の車のタイプを確認しておくと失敗しにくくなります。
Q. DIYで失敗した場合はどうなる?
配線の間違いによってヒューズが飛ぶことがあります。ヒューズが飛んだ場合は同じアンペア数のヒューズに交換すれば復旧しますが、原因を特定せずにヒューズだけ交換するのは危険です。電気系統のトラブルが解消しない場合は、速やかに整備工場に相談してください。
なお、ETCのセットアップ手続きについて詳しく知りたい方はカーコンビニ倶楽部の解説記事も参考にしてみてください。
まとめ
ETC車載器の取り付けは、正しい手順と道具があればDIYで十分に対応できます。ヒューズボックスからのACC電源取り出し、アンテナの正しい位置への設置、配線をきれいに隠す処理がポイントです。
ただし、セットアップは登録店でしか行えないため、この部分だけは専門店に依頼しましょう。トータルのコストを抑えるなら、車載器の購入と取り付けを同じ店でまとめるか、DIYで取り付けてセットアップだけ店舗に依頼するのが賢い方法です。フロントガラスへのアンテナ設置位置と配線の取り回しさえ丁寧にやれば、仕上がりはプロに頼んだ場合と変わりません。



