ガソリン価格の高騰が続くなか、車選びで「燃費の良さ」を重視する方が増えています。同じような大きさの車でも、燃費性能の差によって年間のガソリン代が数万円も変わることがあります。
この記事では、ボディタイプ別に燃費の良い車をまとめて紹介します。コンパクトカーからSUV、ミニバンまで幅広い車種を取り上げていますので、次の車選びの参考にしてください。

燃費の基準「WLTCモード」とは
車のカタログに記載されている燃費は「WLTCモード」という国際的な測定基準で計測されています。WLTCモードは、市街地・郊外・高速道路の3つのパターンを組み合わせた総合的な燃費値で、実際の走行環境に近い数値が出るのが特徴です。
- WLTCモード:市街地・郊外・高速道路の総合燃費。もっとも実燃費に近い指標
- 市街地モード:信号の多い街中を想定した燃費。ストップ&ゴーが多いため数値は低め
- 高速道路モード:一定速度での巡航を想定した燃費。ハイブリッド車はこのモードでの差が出やすい
カタログ燃費と実燃費には差があることが多く、一般的に実燃費はカタログ値の8~9割程度が目安です。
自分の車の実燃費が気になる場合は、OBD2ポートに挿して走行データを表示するメーターを使う方法もあります。運転のクセと燃費の関係が見えるようになります。
コンパクトカーの燃費おすすめモデル
コンパクトカーは車体が軽量で空気抵抗も小さいため、もっとも燃費性能に優れるカテゴリです。
トヨタ アクア
WLTCモード燃費34.6km/Lはコンパクトカートップクラスの数値です。改良モデルではハイブリッドシステムがさらに進化し、静粛性と乗り心地も向上しています。コンパクトなボディサイズで街中での取り回しも良好です。
トヨタ ヤリス
ハイブリッドモデルのWLTCモード燃費は36.0km/L(Xグレード・2WD)で、国産コンパクトカーの中でもトップの低燃費を実現しています。軽量高剛性のTNGAプラットフォームにより、軽快な走りと低燃費を両立しています。
ホンダ フィット
e:HEVモデルのWLTCモード燃費は30.2km/L(BASICグレード)です。2モーターのハイブリッドシステムにより、市街地ではEV走行の比率が高く、静かでスムーズな走りが楽しめます。室内空間の広さはクラストップレベルです。
日産 ノート
第2世代e-POWERを搭載し、WLTCモード燃費は28.4km/L(Xグレード・2WD)です。100%モーター駆動による滑らかで力強い加速は、一度乗ると病みつきになる心地よさがあります。車内も広く、実用性に優れています。

SUVの燃費おすすめモデル
SUVは車体が大きいため燃費は不利と思われがちですが、ハイブリッド技術の進化により、コンパクトカーに迫る低燃費を実現するモデルも登場しています。
トヨタ ヤリスクロス
ハイブリッドモデルのWLTCモード燃費は30.8km/Lで、SUVカテゴリでは突出した低燃費です。電気式四輪駆動のE-Fourも選択でき、燃費性能と走破性を両立しています。コンパクトSUVとして街中での取り回しも良好です。
トヨタ カローラクロス
ハイブリッドモデルのWLTCモード燃費は26.2km/L(2WD)です。ミドルサイズSUVとしては優秀な燃費性能で、荷室も広く使い勝手に優れています。ファミリーユースにも対応できる実用性が魅力です。
ダイハツ ロッキー
e-SMART HYBRIDモデルはWLTCモード燃費28.0km/Lを実現しています。コンパクトなボディサイズながらSUVらしい力強いデザインで、若い世代を中心に支持されています。5ナンバーサイズで駐車場を選ばないのもポイントです。
セダンの燃費おすすめモデル
トヨタ プリウス
ハイブリッド車の代名詞ともいえるプリウスは、現行モデル(60系)でもWLTCモード燃費32.6km/L(Uグレード・2WD)と高い燃費性能を維持しています。スタイリッシュなデザインに生まれ変わり、走る楽しさと低燃費を高次元で両立しています。
トヨタ カローラ
ハイブリッドモデルのWLTCモード燃費は30.2km/L(2WD)です。手頃な価格で低燃費のハイブリッドセダンが手に入る貴重なモデルです。安全装備も充実しています。
なお、どのモデルに乗る場合でも実燃費を左右するのがタイヤの空気圧です。月に1回ほど自分で確認できるようにしておくと、燃費の落ち込みに早めに気づけます。
軽自動車の燃費おすすめモデル
軽自動車は税金や保険料が安いだけでなく、燃費性能にも優れたモデルが揃っています。
スズキ アルト
WLTCモード燃費27.7km/L(ハイブリッドSグレード)はマイルドハイブリッドを搭載した軽自動車として優秀な数値です。車両本体価格も100万円台からと手頃で、維持費を極力抑えたい方にぴったりです。
ダイハツ ミライース
WLTCモード燃費25.0km/L(Lグレード・2WD)で、ガソリン車の軽自動車としてはトップクラスの低燃費です。新車価格が86万円からと非常に手頃で、セカンドカーとしても人気があります。
スズキ ワゴンR
マイルドハイブリッド搭載モデルのWLTCモード燃費は25.2km/Lです。広い室内空間と低燃費を両立しており、普段使いの軽自動車として根強い人気があります。

ミニバンの燃費おすすめモデル
ミニバンは車体が大きく重いため燃費は不利ですが、ハイブリッドモデルを選ぶことで燃費性能を大きく改善できます。
トヨタ シエンタ
ハイブリッドモデルのWLTCモード燃費は28.8km/L(Xグレード・2WD)で、ミニバンカテゴリでは抜群の低燃費です。コンパクトなボディに3列シートを備え、ファミリーの日常使いにぴったりです。
ホンダ フリード
e:HEVモデルのWLTCモード燃費は25.6km/L(AIR・2WD)です。コンパクトミニバンとしての使い勝手の良さと低燃費を両立しています。6人乗りモデルはウォークスルーが可能で、車内移動がしやすいのも魅力です。
燃費の良い車を選ぶときのポイント
- ハイブリッドモデルを選ぶ:同じ車種でもハイブリッドとガソリン車では燃費が大きく異なる
- 車体サイズと重量:軽くてコンパクトな車ほど燃費は良い傾向
- 走行パターンとの相性:ストップ&ゴーの多い街中ではハイブリッドの恩恵が大きく、高速道路中心ならディーゼル車も選択肢に
- 実燃費の口コミも参考にする:カタログ燃費と実燃費の乖離が大きいモデルもあるため、ユーザーの実燃費レポートも確認する
- 車両価格との総コスト:ハイブリッド車はガソリン車より30~50万円程度高い。年間走行距離が少ないと元が取れないケースもある
買い替えまでは今の車で工夫するという手もあります。指定粘度の範囲で低粘度のエンジンオイルを使うと、抵抗が減って燃費に効くことがあります。粘度は必ず取扱説明書で確認してください。
燃費を良くする運転のコツ
燃費の良い車を選んでも、運転の仕方によって実燃費は大きく変わります。以下のポイントを意識するだけで、燃費を5~15%程度改善できます。
- 穏やかな発進:最初の5秒で時速20km程度を目安にゆっくり加速する
- 一定速度を保つ:不必要な加減速を避け、なるべく一定速度で巡航する
- 早めのアクセルオフ:赤信号が見えたら早めにアクセルを離してエンジンブレーキを活用する
- タイヤの空気圧をチェック:空気圧が適正値より低いと転がり抵抗が増えて燃費が悪化する
- 不要な荷物を降ろす:車重が増えると燃費に影響するため、使わない荷物は降ろしておく
- エアコンの使い方:設定温度を下げすぎないようにし、外気温との差を小さくする
エアコンまわりでは、フィルターの目詰まりも見落とされがちです。風の通りが悪くなると設定温度を下げがちになるため、1年に1回程度の交換が目安とされています。

ガソリン代の年間シミュレーション
燃費の違いが年間のガソリン代にどれくらい影響するのか、具体的なシミュレーションで確認してみましょう。ガソリン価格を170円/Lと仮定し、年間10,000km走行する場合で比較します。
- 燃費35km/Lの車(トヨタ ヤリス ハイブリッドなど):約48,571円/年
- 燃費25km/Lの車(軽自動車のガソリン車など):約68,000円/年
- 燃費15km/Lの車(コンパクトSUVのガソリン車など):約113,333円/年
- 燃費10km/Lの車(大型SUVやスポーツカーなど):約170,000円/年
燃費35km/Lの車と10km/Lの車では、年間のガソリン代に約12万円の差が生まれます。5年間では約60万円の差になるため、燃費性能は車選びにおいて非常に重要な要素です。通勤距離が長い方や年間走行距離が多い方ほど、低燃費車を選ぶメリットは大きくなります。
走行距離が伸びてきた車では、エンジン内部の摩擦を抑える添加剤を使う方もいらっしゃいます。効果の出方は車の状態によって変わるため、まずは基本のメンテナンスを優先するのが無難です。
よくある質問(Q&A)
Q. ハイブリッド車とガソリン車、年間コストの差はどのくらいですか?
A. 年間10,000km走行する場合、ガソリン代だけで年間3~5万円程度の差が出ることがあります。ただし、ハイブリッド車は車両価格がガソリン車より30~50万円程度高いため、走行距離が多い方ほどメリットが大きくなります。
Q. 電気自動車(EV)は燃費の観点でどうですか?
A. EVはガソリンを使わないため「燃費」の概念はありませんが、電費(1kWhあたりの走行距離)で比較するとガソリン車よりもランニングコストが低くなることが多いです。ただし、充電インフラの整備状況や航続距離の制約も考慮が必要です。
まとめ
燃費の良い車選びは、ガソリン代の節約だけでなく、環境負荷の低減にもつながります。コンパクトカーではヤリスやアクア、SUVではヤリスクロス、軽自動車ではアルトなど、各カテゴリに低燃費のおすすめモデルが揃っています。
車選びの際は、カタログ燃費だけでなく、自分の使い方(走行距離・走行パターン)に合ったモデルを選ぶことが大切です。燃費性能に加えて、エコ運転を意識することでさらにガソリン代を節約できるため、ぜひ実践してみてください。


