車の買取査定で重視されるポイントのひとつが走行距離です。「走行距離が少ないほど高く売れる」というイメージがありますが、実は単純にそうとも言い切れません。
この記事では、走行距離が少ない車の査定額への影響について、年式との関係や注意すべきポイントも含めて詳しく解説します。

走行距離が査定額に与える影響の基本
車の買取査定において、走行距離は年式と並んで最も重要な評価項目のひとつです。中古車市場では、一般的に走行距離が少ない車ほど需要が高く、査定額も高くなる傾向にあります。
目安として、年間走行距離の平均は約8,000~1万kmとされています。5年落ちの車であれば4~5万kmが標準的な走行距離です。これを下回っていれば「少ない」と判断され、プラス評価になります。
走行距離の節目と査定への影響
中古車市場では、走行距離に「節目」があり、それを超えると査定額が下がりやすくなります。
| 走行距離 | 査定への影響 |
|---|---|
| ~3万km | 高評価。中古車としてかなり人気が高い |
| 3万~5万km | 標準的。状態が良ければ高値がつきやすい |
| 5万~7万km | やや評価が下がる。メンテナンス状態が重要 |
| 7万~10万km | 査定額への影響が大きくなる |
| 10万km超 | 大幅な減額。ただし車種やコンディションにより異なる |
走行距離は1万kmごとに査定額が変わるとされています。例えば、49,000kmと51,000kmでは、たった2,000kmの差でも5万km超えの壁があるため査定額に差が出ることがあります。売却を検討しているなら、節目を超える前に動くのがおすすめです。
走行距離が少なすぎると逆効果になることもある
意外に思われるかもしれませんが、走行距離が極端に少ない車は、査定でマイナス評価を受ける場合があります。
なぜ少なすぎるとダメなのか
車は走らせないと調子が悪くなることがあります。長期間放置された車は以下のような問題が起きやすくなります。
- バッテリーの劣化(充電不足による性能低下)
- エンジンオイルの劣化(走行しないと循環しない)
- タイヤのひび割れ(紫外線や経年で硬化する)
- ブレーキディスクの錆び(使わないと錆びやすい)
- ゴムパーツ(ベルト類・ホース類)の硬化・劣化
- 燃料タンク内のガソリンの劣化
乗る機会が少ない車でとくに困りやすいのがバッテリーです。長く乗らない期間があるなら、バッテリーを維持充電できる充電器を用意しておくという手もあります。
例えば「10年落ちで走行距離1万km」のような車は、パーツの経年劣化が進んでいる可能性が高く、見た目以上にコンディションが悪いケースがあります。査定士はこの点をプロの目でチェックするため、単純に「少ない=高い」とはならないのです。
「低走行車」と「放置車両」の違い
週末だけ乗っていて走行距離が少ない「低走行車」と、ほとんど動かしていない「放置車両」では状態がまったく異なります。低走行車でも定期的にエンジンをかけ、オイル交換を行っていれば良好な状態を保てます。一方、放置車両は各部品の劣化が進みやすいため、たとえ走行距離が少なくても査定では厳しい評価になりがちです。
屋外に長く停めておく場合は、タイヤのゴム部分の見た目が気になってくることもあります。洗車のついでに保護剤を塗っておくという手もあります。

走行距離と年式のバランスが重要
査定では走行距離だけでなく、年式との「バランス」が見られます。年間8,000~1万km程度の走行距離であれば、標準的な使用状況と判断されます。
年式と走行距離の理想的なバランス
| 年式(経過年数) | 標準的な走行距離 |
|---|---|
| 1年 | 8,000~1万km |
| 3年 | 2.4万~3万km |
| 5年 | 4万~5万km |
| 7年 | 5.6万~7万km |
| 10年 | 8万~10万km |
この範囲を大きく下回る場合は「放置車両」、大きく上回る場合は「過走行車」と見なされ、いずれも査定にマイナスの影響が出ます。理想は標準よりやや少ない程度の走行距離です。
走行距離が少ない車を高く売るコツ
走行距離が少ないというアドバンテージを最大限に活かして高く売るためのポイントを紹介します。
メンテナンス記録をしっかり提示する
定期点検の記録簿があれば、走行距離が少なくても適切にメンテナンスされていた証拠になります。オイル交換やバッテリー交換の履歴があると、査定士の印象が格段に良くなります。特にディーラーでの点検記録は信頼性が高く評価されます。
オイル交換を自分で行っている方は、購入したオイルのレシートや銘柄を控えておくと履歴として残せます。交換作業に不安がある場合は、無理をせず整備工場に任せたほうが安心です。
複数の買取業者に査定を依頼する
1社だけの査定では、低走行車の価値が正しく評価されないことがあります。複数の買取業者に査定を依頼して比較することで、適正な買取価格を引き出しやすくなります。一括査定サービスを使えば手間も省けます。
売却時期を見極める
中古車市場には需要が高まる時期があります。一般的に1~3月は新生活の準備で中古車の需要が増え、9~10月は中間決算期で買取業者の在庫確保意欲が高まるため、この時期に合わせて売却すると高値がつきやすくなります。
洗車・清掃をしてから査定を受ける
第一印象は査定額に影響します。査定前に洗車し、車内も清掃しておきましょう。タバコやペットのにおいが残っている場合は、消臭スプレーや専用クリーナーでケアしておくと効果的です。
純正パーツに戻す
社外品のホイールやマフラーなどを装着している場合は、純正パーツに戻したほうが査定額が上がることがあります。ただし、純正パーツがない場合は無理に用意する必要はありません。
シートの隙間やフロアマットの砂ぼこりは、業者に頼まなくても自分である程度落とせます。車内用のハンディクリーナーが1台あると、査定前の掃除がラクになります。

走行距離のメーター改ざんに注意
中古車市場では、走行距離メーターの改ざん(巻き戻し)が問題になることがあります。デジタルメーターであっても専用の機器を使えば数値を変えることが可能です。
メーター改ざんを見抜く方法としては、以下のポイントがあります。
- 車検証の走行距離欄と現在のメーター値を比較する
- 整備記録簿に記載されている走行距離の推移を確認する
- ペダルやシートの摩耗具合と走行距離が一致するか確認する
- ハンドルの摩耗具合をチェックする
- 日本自動車査定協会(JAAI)で「走行メーター管理システム」の記録を照会する
中古車を購入する際は、これらのポイントを確認して改ざん車両をつかまないよう注意しましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 走行距離が5万kmと10万kmではどのくらい査定額が変わりますか?
車種や年式によって異なりますが、一般的に10万km超の車は5万km前後の車と比べて30~50%程度査定額が下がる傾向があります。ただし、ランドクルーザーやジムニーなど人気車種は走行距離が多くても値落ちしにくい傾向にあります。
Q. 走行距離が1万km以下の車は高く売れますか?
年式が新しければ高評価です。ただし、年式が古いのに走行距離が極端に少ない場合は、パーツの経年劣化が懸念されるためプラス評価にならないこともあります。
Q. 走行距離と年式、どちらが査定に影響しますか?
どちらも重要ですが、一般的には年式のほうが査定額への影響が大きいと言われています。モデルチェンジがあると旧型の価値が大きく下がるためです。走行距離は年式とのバランスで評価されます。
Q. 過走行車でも高く売れることはありますか?
はい。海外では日本車の信頼性が高く評価されており、10万km超でも需要があります。海外輸出に強い買取業者に依頼すると、国内業者より高値がつくケースがあります。
Q. 走行距離と車検の回数は査定に関係ありますか?
直接的な関係はありませんが、車検ごとに定期点検が行われるため、車検の回数が多い車は整備記録が充実しやすく、査定にプラスに働くことがあります。逆に車検切れのまま放置された車はマイナス評価になります。

ディーラー下取りと買取業者の違い
走行距離が少ない車を手放す方法として、ディーラー下取りと買取業者への売却があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分に合った方法を選びましょう。
ディーラー下取りは、新しい車の購入と同時に手続きできるため手間が少ないのが魅力です。ただし、買取専門店に比べて査定額が低くなる傾向があります。ディーラーは中古車販売が本業ではないため、走行距離が少ない車の価値を適正に評価しきれないケースがあります。
買取業者への売却は、複数の業者を比較できるため、より高値での売却が期待できます。一括査定サービスを利用すれば、1回の入力で複数社の見積もりが届くため、最も条件の良い業者を選べます。走行距離が少ない車は買取業者間でも評価が分かれやすいため、複数比較のメリットが特に大きいです。

まとめ|走行距離は「少ない=高い」だけではない
走行距離が少ない車は中古車市場で人気があり、査定額が高くなりやすいのは事実です。しかし、年式とのバランスが大きくずれていると逆効果になることもあります。
- 年間8,000~1万kmが標準。これより少なければ基本的にプラス評価
- 極端に少ない場合(年式の割に走っていない車)はマイナスになることも
- メンテナンス記録の提示で「放置車両」の懸念を払拭できる
- 複数業者への査定依頼で適正価格を引き出す
- 売却時期を見極めて需要の高いタイミングで売る
車の買取相場を事前に把握したい方は、ナビクルの相場シミュレーションで個人情報なしで調べることもできます。走行距離と査定の関係についてさらに詳しくは、オリコンの走行距離と査定額の解説ページも参考になります。買取と下取りの違いについてはガリバーの解説ページも参考にしてください。


