車を購入したら避けて通れないのが車庫証明(自動車保管場所証明書)の取得です。ディーラーや販売店に代行を依頼すると1~3万円ほどの費用がかかりますが、実は自分で手続きすれば2,100円程度で済むことをご存知でしょうか。
この記事では、車庫証明に必要な書類の揃え方から、申請の流れ、かかる費用まで、初めての方でも迷わず手続きできるよう丁寧に解説します。

車庫証明とは?なぜ必要なのか
車庫証明の正式名称は「自動車保管場所証明書」です。自動車の保管場所が適切に確保されていることを警察署を通じて証明するための書類で、「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」に基づいて制度化されています。
車庫証明が必要になるのは、主に以下のようなタイミングです。
- 新車や中古車を購入して登録するとき
- 引っ越しなどで保管場所の住所が変わったとき
- 車の所有者が変わったとき(名義変更)
なお、軽自動車の場合は「届出」となり、一部地域では手続き自体が不要です。自治体によって対象エリアが異なるため、住んでいる地域の管轄警察署に確認しておくと安心です。
普通自動車は「申請」、軽自動車は「届出」と手続きの種類が異なります。軽自動車は地域によっては車庫証明そのものが不要なケースもあります。
車庫証明の取得に必要な書類一覧
車庫証明の取得に必要な書類は、大きく分けて以下の4種類です。書類はすべて管轄の警察署の窓口、または各都道府県の警察本部のウェブサイトからダウンロードできます。
1. 自動車保管場所証明申請書
いわゆる「車庫証明の申請書」です。車名・型式・車台番号・サイズなどの車両情報と、申請者の住所・氏名を記載します。車検証(またはその写し)を見ながら正確に転記しましょう。
2. 保管場所の所在図・配置図
自宅と駐車場の位置関係を示す「所在図」と、駐車場内での車の停め方や出入口の幅を示す「配置図」の2つを1枚の用紙にまとめて記載します。
所在図はインターネットの地図を印刷して添付することも認められている都道府県が多いです。配置図は手書きで構いませんが、駐車スペースの寸法(縦・横)と出入口の幅は必ず記入してください。
この寸法は目分量ではなく実際に測った数値を書く必要があります。手元に1本コンベックス(金属製の巻尺)があると、駐車場での計測がスムーズです。
3. 使用権原を示す書類(いずれか1つ)
保管場所が自分の土地か、他人の土地かで提出する書類が変わります。
- 自分の土地の場合:自認書(保管場所使用権原疎明書面)
- 賃貸駐車場・月極駐車場の場合:保管場所使用承諾証明書(駐車場の管理会社や大家さんに記入・押印してもらう)
月極駐車場の場合、使用承諾書の発行に別途手数料がかかることがあります。事前に管理会社へ確認しておきましょう。
4. 本人確認書類
運転免許証のコピーや住民票の写しなど、申請者の住所が確認できる書類が必要です。申請書に記載する住所と一致している必要があります。
4種類の書類を持ち歩くことになるので、A4サイズのケースにひとまとめにしておくと窓口で慌てずに済みます。交付後の車庫証明書の保管にもそのまま使えます。

車庫証明の取得手順|ステップごとに解説
車庫証明の申請から交付までの流れを、ステップごとに見ていきましょう。
ステップ1:必要書類を準備する
上記で紹介した4種類の書類を揃えます。用紙は管轄の警察署の窓口でもらえるほか、都道府県警察のウェブサイトからPDFをダウンロードして印刷できます。
ステップ2:管轄の警察署に申請する
書類が揃ったら、保管場所を管轄する警察署の窓口に提出します。自宅の最寄りの警察署ではなく、駐車場の所在地を管轄する警察署である点に注意しましょう。
受付時間は平日の日中(おおむね9:00~17:00)のみで、土日祝日は対応していない警察署がほとんどです。仕事の都合がつかない場合は、家族などに代理で提出してもらうことも可能です(委任状が必要な場合あり)。
ステップ3:警察による現地確認
申請後、警察が実際に保管場所を確認します。駐車スペースに十分な広さがあるか、道路からの出入りに支障がないかなどをチェックされます。
この確認のため、申請から交付まで3~7営業日ほどかかるのが一般的です。都市部では混雑して時間がかかることもあるため、余裕を持って手続きを進めましょう。
ステップ4:車庫証明書を受け取る
交付日になったら再び管轄の警察署を訪れ、車庫証明書を受け取ります。交付時に手数料の支払いが必要です。
車庫証明の有効期限はおおむね交付日から1か月以内です(都道府県により異なる場合があります)。有効期限内に車両の登録手続きを済ませないと、再度取得し直す必要があるため注意してください。
車庫証明にかかる費用はいくら?
車庫証明の取得にかかる費用は、申請手数料のみで約2,100円です。
以前は「保管場所標章交付手数料」として別途500円程度がかかっていましたが、2025年4月の法改正により保管場所標章(ステッカー)制度が廃止されたため、現在は申請手数料のみとなっています。
手数料は都道府県によって若干異なり、おおむね2,000~2,550円の範囲です。
都道府県別の手数料例
| 都道府県 | 申請手数料 |
|---|---|
| 東京都 | 2,100円 |
| 大阪府 | 2,100円 |
| 愛知県 | 2,200円 |
| 北海道 | 2,200円 |
| 福岡県 | 2,200円 |
※上記は記事執筆時点の目安です。最新の金額は管轄の警察署にお問い合わせください。
ディーラー代行と自分で取る場合の費用比較
ディーラーや販売店に車庫証明の取得を代行してもらう場合、代行手数料として1万~3万円程度が上乗せされます。つまり、自分で手続きすれば1~3万円近い節約が可能です。

車庫証明を自分で取るときの注意点
自分で手続きする場合に気をつけたいポイントをまとめます。
記載ミスに注意
申請書に記載する車台番号や型式は、1文字でも間違えると受理されません。車検証を手元に置き、一字一句正確に転記してください。特にアルファベットの「O(オー)」と数字の「0(ゼロ)」、「I(アイ)」と「1(イチ)」の書き間違いが多いため注意しましょう。
駐車場と自宅の距離制限
保管場所は、使用の本拠地(自宅など)から直線距離で2km以内であることが条件です。2kmを超える場所の駐車場では、車庫証明は取得できません。
申請書の訂正方法
書き間違えた場合は、修正液ではなく二重線で消して訂正印を押すのが原則です。ただし都道府県によっては修正テープの使用を認めるところもあります。不安な場合は窓口で確認してください。
訂正印は申請書の欄に収まる小さめのサイズが使いやすい部分です。書類仕事の機会が増える時期に1本持っておくと出番があります。
車庫証明が不要なケースもある
以下のような場合は、車庫証明の手続きが不要となることがあります。
- 人口の少ない一部の村部地域(適用除外地域)
- 軽自動車で適用除外地域に住んでいる場合
- 使用の本拠地が同じまま車を買い替える場合(一部の自治体のみ)
適用除外地域に該当するかどうかは、管轄の警察署に問い合わせるか、都道府県警察のウェブサイトで確認できます。
よくある質問(Q&A)
Q. 車庫証明の手続きは代理人でもできますか?
はい、代理人でも手続きが可能です。申請書や必要書類が正しく記入されていれば、窓口への提出・受け取りは本人でなくても構いません。都道府県によっては委任状の提出を求められることもあるため、事前に確認しておきましょう。
Q. 車庫証明はオンラインで申請できますか?
一部の都道府県ではOSS(ワンストップサービス)を利用してオンライン申請が可能です。ただし、マイナンバーカードとICカードリーダーが必要で、対応していない地域もまだ多いのが現状です。
Q. 賃貸マンションの場合はどうすればいいですか?
マンションに付随する駐車場を契約している場合は、管理会社に「保管場所使用承諾証明書」を発行してもらいましょう。賃貸契約書のコピーで代用できるケースもありますが、警察署によって対応が異なるため事前の確認をおすすめします。
Q. 引っ越し後の車庫証明の届出には期限がありますか?
はい。引っ越しなどで保管場所が変わった場合は、変更から15日以内に届出をする必要があります。届出を怠ると10万円以下の罰金が科される可能性があるため、早めに手続きを済ませましょう。
こうした手続きのたびに必要になるのが車検証です。車内で取り出しやすいケースにまとめておくと、車台番号の確認もすぐにできます。

まとめ|車庫証明は自分で取れば大幅に節約できる
車庫証明の取得は、必要書類さえ揃えてしまえば、管轄の警察署で手続きをするだけのシンプルな作業です。
ポイントを振り返ります。
- 必要書類は申請書・所在図配置図・使用権原書類・本人確認書類の4種類
- 費用は申請手数料のみで約2,100円(2025年4月の法改正で標章交付手数料が廃止)
- 申請から交付まで3~7営業日が目安
- ディーラー代行に比べて1~3万円の節約が可能
平日に時間が取れるようであれば、ぜひ自分で手続きしてみてください。浮いた費用を車のカスタムやメンテナンスに回すこともできます。
車庫証明の手続きについてさらに詳しい情報は、警察庁の自動車保管場所証明申請に関するページでも確認できます。各都道府県の申請書ダウンロードや手数料一覧は、車庫証明の手数料・証紙代 全国一覧表(くるなび)が便利です。また、行政書士に依頼する場合の費用感は行政書士法人Treeの車庫証明ガイドも参考になります。


