「車を売ったら、支払った自動車税は戻ってくるのだろうか」「還付の手続きはどのように行うのか」と疑問に思っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、普通自動車を抹消登録(廃車)した場合は、未経過月分の自動車税が月割りで還付されます。ただし、買取業者に売却した場合は取り扱いが異なりますので注意が必要でございます。詳しく解説してまいります。
自動車税の還付は「抹消登録」した場合にのみ発生します。買取業者への売却(名義変更)の場合は制度上の還付はありませんが、査定額に含まれていることが多いため必ず確認しましょう。
自動車税の還付が受けられる条件
まず、自動車税の還付が受けられる条件を整理いたしましょう。
| ケース | 還付 | 備考 |
|---|---|---|
| 廃車(永久抹消登録) | あり | 未経過月分が月割りで還付 |
| 一時抹消登録 | あり | 未経過月分が月割りで還付 |
| 買取業者に売却(名義変更) | なし(制度上) | 買取額に含まれることが多い |
| 軽自動車の売却 | なし | 軽自動車税には還付制度がない |
ポイントは、「抹消登録」した場合にのみ公的な還付があるということでございます。名義変更(移転登録)のみでは税金は還付されません。
自動車税の還付金の計算方法
還付金額の計算は非常にシンプルでございます。
還付金 = 年額の自動車税 ÷ 12ヶ月 × 残り月数
自動車税は4月~翌3月の1年分を先払いしておりますので、たとえば9月に抹消登録した場合は、10月~翌3月の6ヶ月分が還付されます。
排気量別の自動車税と還付金の例
| 排気量 | 年額 | 6ヶ月分の還付金 |
|---|---|---|
| 1,000cc以下 | 25,000円 | 約12,500円 |
| 1,000~1,500cc | 30,500円 | 約15,200円 |
| 1,500~2,000cc | 36,000円 | 約18,000円 |
| 2,000~2,500cc | 43,500円 | 約21,700円 |
| 2,500~3,000cc | 50,000円 | 約25,000円 |
※2019年10月以降に新車登録したお車の税額でございます。それ以前のお車はもう少し高い場合がございます。

自動車税の還付手続きの流れ
廃車(抹消登録)した場合の還付手続きは、基本的に自動で進みます。
- 運輸支局で抹消登録の手続きをする
- 運輸支局から都道府県の税事務所に通知される
- 税事務所が還付金を計算
- 1~2ヶ月後に還付通知書が届く
- 指定の金融機関で還付金を受け取る or 口座振込
ご自身から申請する必要はなく、抹消登録をすれば自動的に還付手続きが始まります。ただし、自動車税の滞納がある場合は、滞納分と相殺されますのでご注意ください。
買取業者に売った場合の自動車税はどうなる?
ここが最も注意していただきたいポイントでございます。
買取業者にお車を売った場合、通常は「名義変更(移転登録)」が行われるだけで「抹消登録」はされません。そのため、制度上の自動車税の還付は発生いたしません。
では、支払った税金は損になってしまうのでしょうか。実際には、多くの買取業者が査定額に自動車税の未経過分を含めてくれます。つまり、公的な還付ではございませんが、実質的に返ってくる形になっていることが多いのでございます。
業者によっては自動車税を含めているかどうか明示しないケースもございます。必ず査定時に「自動車税の精算はどのようになりますか?」と確認してください。この一言で数万円の差が出ることもございます。

軽自動車税には還付制度がない
ここは特に注意が必要でございます。軽自動車税には月割りの還付制度がございません。
つまり、軽自動車を4月に廃車しても12月に廃車しても、すでに支払った軽自動車税は戻ってまいりません。これは普通自動車との大きな違いでございます。
軽自動車をお売りになるのであれば、できれば3月中に手続きを完了させるのがベストでございます。4月1日を過ぎますと翌年度分の軽自動車税(10,800円)が課税されてしまいます。
自動車税の還付に関する注意点
注意点1:3月に売却する場合
3月に廃車(抹消登録)した場合、残り月数が0ヶ月となりますので還付金はゼロでございます。3月の売却・廃車では税金が戻ることはございません。
注意点2:4月1日時点の所有者に課税される
自動車税は毎年4月1日時点の所有者に課税されます。3月中に売却を完了させれば翌年度の自動車税は課税されませんので、3月中の売却は自動車税の観点でも大変お得でございます。
注意点3:自動車税を滞納している場合
自動車税を滞納されていますと、名義変更の手続きに影響が出ることがございます。買取業者によっては「納税証明書がないと買い取れない」と言われるケースもありますので、滞納がある場合は先に納付しておきましょう。
注意点4:還付金の受け取りを忘れない
還付通知書が届きましたら、期限内に受け取りの手続きを行ってください。口座振込の場合は指定口座の登録が必要な場合もございますので、通知をよくご確認ください。
自動車税の還付を最大化するための売却タイミング
自動車税の還付を最大化するのであれば、4月に売却(廃車)するのがベストでございます。4月に抹消登録すれば、5月~翌3月の11ヶ月分が還付されます。
ただし、買取相場は1~3月の方が高いため、自動車税の還付金と買取額のバランスを考慮する必要がございます。
たとえば排気量2,000ccのお車の場合、以下のような比較となります。
- 3月に売却:還付金0円、ただし買取相場が高い
- 4月に売却:還付金約33,000円、ただし買取相場がやや低い
多くの場合、1~3月の高い買取相場の恩恵の方が、自動車税の還付金を上回ります。

よくある質問(FAQ)
Q. 自動車税の還付金はいつ届きますか?
抹消登録から1~2ヶ月後に還付通知書が届きます。都道府県によって若干のタイムラグがございますので、届かない場合は管轄の税事務所にお問い合わせください。
Q. 還付金に税金はかかりますか?
自動車税の還付金には所得税はかかりません。もともとご自身が支払い過ぎた税金が戻ってくるだけでございます。
Q. 名義変更後に前の所有者に自動車税の請求が来ることはありますか?
名義変更が正しく完了していれば、翌年度からは新しい所有者に請求が届きます。ただし、名義変更が遅れますと旧所有者に課税されるケースがございますので、買取業者に「いつまでに名義変更されますか?」と確認しておくことをおすすめいたします。
Q. エコカー減税の対象車は還付額が変わりますか?
エコカー減税はグリーン化特例として自動車税が軽減されている場合がございます。その場合は軽減後の金額をベースに還付金が計算されます。
Q. 自動車税を口座振替で支払っている場合、還付金はどうなりますか?
口座振替で支払われている場合でも、還付手続きは通常通り行われます。還付通知書に従い、指定口座への振込または窓口での受け取りとなります。詳細は総務省の地方税に関する情報もあわせてご確認ください。
まとめ:車売却時の自動車税は確認必須
- 普通自動車の抹消登録 → 未経過月分が還付される
- 買取業者に売却 → 制度上の還付はないが、査定額に含まれることが多い
- 軽自動車 → 還付制度なし(3月中に手続き完了がベスト)
- 買取時は「自動車税の精算」について必ず確認する
特に買取業者にお売りになる場合は、自動車税の取り扱いを事前にご確認いただくことが大切でございます。この一手間だけで数万円の差を防ぐことができますので、ぜひ忘れずにチェックしてください。


